耐震等級はいくつなら大丈夫なの?
こんにちは!皆さん耐震等級はいくつなら大丈夫なの?と疑問に思ったとことありませんか? 今回はそんな疑問にお答えしたいと思います。
そもそも耐震等級とは
耐震等級1「建築基準法の耐震性能を満たす水準」
・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊や崩壊をしない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度
耐震等級2
・等級1で想定される1.25倍の地震が起きても耐えられる構造
耐震等級3
・等級1で想定される1.5倍の地震が起きても耐えられる構造
「耐震等級とは、様々な住宅の性能をわかりやすくする、住宅性能表示制度により設けられたもの」 また、性能表示とは平成12年4月1日に施工された住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく制度になります。
グレード
住宅の構造検討には性能表示を含めて、下記に添付しております三角の図のように3つのグレードがあります。上に行くごとに、構造の安全性が上がってきます。
1.まずは三角の一番下の「仕様規定」(建築基準法)。仕様規定は四号建築物に当たります。
四号建築物とは
上記をふまえると殆どの木造住宅に当たります。
四号建造物を建築する為には、四号特例をクリアすれば建築できます。
四号特例を簡単に言うと上記内容に当てはまる物件を構造計算をせずに、壁の枚数を数えて、公的機関などは検査しないから、建築士がOKと言ってしまえば建てれる特例になります。
(設計士の経験と勘のみに建物や自分たちの命を預けることになります。)
- 不特定多数の方が利用しない建物(簡単にいうと大勢の人間)
- 木造建築物
- 階数2階以下
- 延べ面積500㎡以下
- 高さ13メートル以下
- 軒の高さ9メートル以下
2.次に「性能表示計算」(品確法)
性能表示計算は耐震の話だけでいくと、皆さんが良くご存じの耐震等級というところになります。 耐震等級を決める為には、仕様規定にはない床倍率の計算が出てきます。簡単にいうと仕様規定である家に対した壁の枚数のチェックに+どれだけ床があるかの計算くらいになってきます。(家の形や間取りによって、家のバランスは変わってくるのにこれくらいで大丈夫かな?と思えるところになります。)これは前の方に話しました、平成12年4月1日に施工された制度です。(意外に結構前の制度になります。)また、性能表示というとこが長期優良住宅にあたります。(長期優良住宅も制度自体が更新されていない、古い年代での性能になります。)
3.最後に「許容応力度計算」になります。(建築基準法)
許容応力度計算とは構造計算にあたります。簡単に言うと下記添付図や写真冊子のように細かく計算します。 大きい百貨店やビルなどは必ず構造計算をしなければいけません。(多くの人が集まる場所なので、なにかあったら大変です。)
この構造計算を耐震等級3で計算して、やっと家としてバランスのとれた、安心して暮らせる住宅にになります。その為、弊社は全棟耐震等級3での構造計算をおこなっております。(かなり大変な作業なんです。。)
なぜ行うのかと言うと、下の図のように、実は耐震等級にも2パターンあります。
青色の耐震等級が、壁量計算に基づくもの。そして緑の耐震等級が構造計算によるものです。
ご覧のように、建築基準法を1として比較した場合に、大きな差があることがわかります。
実際、熊本地震の時には壁量計算の耐震等級2(上の図でいうと、青色の耐震等級2)という建物が倒壊しています。また、南海トラフが起きた際の地震では、壁量計算の耐震等級3(青色の耐震等級3)よりも強くなる、構造計算の耐震等級2(緑色の耐震等級2)でも、倒壊の可能性があると言われています。
耐震ダンパー等を付けている住宅なら大丈夫じゃないかな?と思われる方もいるとは思いますが、本当は耐震ダンパーを取り付けるにしても、計算で安全性を証明する必要があります。(とりあえず筋交に入れとこ、はアウトです。)
このように、重要性は高いけど、緊急性が低いのが地震への備えです。
「耐震等級はいくつなら大丈夫なの?」
というご質問に関して、
「後悔しないように、構造計算をしっかり行なって、耐震等級3を取りましょう。」
とお伝えしています。
私たちは分譲住宅を含めて、全棟構造計算を行っています。私たちも家づくりにおいて後悔をしたくないからです。
長い文章のお付き合いありがとうございました。これからも弊社は「永く住まえる価値ある家作り」を目指していきたいと思います。