FDMR
Case No. 006
- Info
- Chikushigaoka,Fukuoka, Oct.2022
- Tags
Story
今までの暮らしを継続するための器
西鉄大橋駅から徒歩6分、筑紫丘の麓に佇むヴィンテージマンションの一室。
ゆったりと愛猫との一人暮らしを愉しみたいということで、2DKから広いワンルーム空間へ間取りを変更。それでも、ヴィンテージの雰囲気は大事にしたいとの希望で、既存の設備や建具を利用することを前提にプランをすすめることに。
クローゼットを仕切っただけのワンルーム空間は、お気に入りのアンテーク家具や音楽好きがわかるピアノ、ターンテーブル、レコード棚で緩やかにゾーニングされ、新調した本棚には趣味の料理の本が並べられるなど、部屋全体に施主の好みが散りばめられています。
新しくするところと既存を利用するところが馴染むような仕上げや設備を選びつつ、前からあったような佇まいをかたちにするリノベーションは、今までの暮らしを継続するための器となりました。
Infill Looks
前からあったかの様な佇まいをつくり出す
50年ほど経過する住まいの記憶をとどめるかの様に、あえて天井や壁は間仕切の痕跡を残して塗装。床はオークの天然突板のフローリングを張り、オイルフィニッシュは施主自ら風合いを確認しながら仕上げている。間仕切りはクローゼットの壁のみで、建具は付けず回遊性と通気性を確保した。古いマンションはサッシが低く、そのことが返って直射日光を遮り、1日の2/3は心地の良い柔らかい自然光で過ごすことができる(夏至時)。固定の照明は最低限とし、その時の気分で補助的にフロアライトなどを利用し、昼も夜も陰影のある室内を愉しむことができるようにした。既存の流し台は取手だけを取替え、ランドリーの取手と揃えることでキッチン空間のテイストを統一。新調したグレーイッシュなタイルが落ち着いた雰囲気を与えている。サニタリースペースは洗面台と便器を新しくし、ロータンク付きの便器を選ぶことで、前からあったかの様な佇を隅々まで行き渡らせている。取材時、超人見知りのもう一人の住人は最後までゲージから出てくれなかった。
Blueprint
- 所在地
- 福岡市南区筑紫丘
- 家族構成
- シングル
- 種別
- リノベーション(マンション区画)
- 竣工
- 2022年10月
- 費用
- 500万円
- 構造
- RC
- 規模
- ー
- 建築面積
- ー
- 延床面積
- 61.05㎡
- 設計期間
- 2022.04-2022.08
- 施工期間
- 2022.09-2022.10