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代表髙倉の本質的な話。 vol.5「設計の良し悪しやデザインとは」

Date
26.09.05
Category
Tag
耐震 #コラム #連載
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設計の良し悪しやデザインとは

最近、「FDMさんってデザインがいいですよね」と言っていただく機会が増えました。
その言葉が嬉しい。なぜなら、デザインの良さは“偶然”ではなく日々の積み重ねの結果だと思っているからです。
私たちの家づくりは、スタッフみんながお客様と一緒に悩み、楽しみながら、1邸1邸を丁寧に組み立てていくことを大切にしています。
「きちんと設計する」言葉にすると簡単ですが、実際は途方もなく手間がかかる。だからこそ、それをやり切った時にしか出ない“質”があると感じています。


FDMでは、営業スタッフは「お客様担当」として、家づくり全般をサポートします。
一方で、具体的なプランニングや空間の設計は、お客様から設計申込みをいただいた後、設計スタッフが打ち合わせに同席して進めていきます。
つまり、最初から「設計のプロ」が設計の責任を持つ体制です。
設計が始まると、間取りだけではなく、日照・通風を読み解くパッシブ設計、構造計算を行い耐震等級3を確保できるか、窓の位置や役割、外からどう見え、内からどう見えるか、天井高さのバランス、家具配置、動線、収納、そして照明(ライティング)まで、同時並行で検討が走り出します。
こうした “見えない検討” は、やった分だけ家の質に確実に反映される。ここをどれだけ丁寧にやれるかが、住まいの完成度を分けると考えています。

ただ現実として、住宅メーカーの多くでは、営業スタッフがプランニング(いわゆる間取り作り)を担うのが一般的です。
このやり方は、効率が圧倒的に良い。営業スタッフは成績に直結するからプランを描き提案する。
スピードが出るし、お客様もまず「間取りが思い通りになるか」が最大関心事になりやすいので、そこに集中しやすい。
その後ろで設計スタッフが調査や申請業務などをこなす形になっているケースも少なくありません。
そして、大手と呼ばれる、あるいは大手に近づくように棟数を伸ばし続けている会社ほど、その方式を採用していることが多い。
ビジネスとして結果を出しやすいのはどちらか。冷静に見れば、答えは明らかだと思います。

それでも、私たちはこちらを選んでいません。
私たちは、遠回りでも、手間がかかっても、設計の責任を設計者が持つ形のほうが、結果としてお客様のためになると心から思っているからです。
そもそも、ものづくりはすべて「制約」の中で成立します。
コスト、時間、敷地条件、法規、広さ、窓の位置と役割、周辺環境との関係、内外からの見え方、高さの関係、温熱、光。
設計とは、制約を減らす作業ではなく、制約を整理し、優先順位をつけ、最適解へ収束させていく作業です。
だから、設計の良し悪しは「センスがあるか」だけでは決まりません。
諸条件がきちんと整理され、何を優先し、何を捨て、何を守るのかが明確になっているか。そこに一貫性があるか。最終的に、お客様の暮らしにとって“意味がある形”になっているか。
ここが設計の本質だと思います。


検討事項が膨大で、判断の連続で、経験がものを言う世界です。住宅以外の非住宅の設計では、設備設計、構造設計、ライティングデザイナー、インテリアデザイナー、サインデザイナーなど、多くのプロが関わりますが、意外にも、住宅のほうが意匠設計者に求められる知識の幅が広く、判断の回数が多く、作業量も大きいと感じることがあります。お客様の暮らしに直結するからこそ、誤魔化しが効かない。
もちろん、資格を持っているから自動的にできるものでもありませんし、設計以外のメンバーの関わりがあって初めて成立することであると考えています。

目の前の1邸に真剣に向き合い、検討を重ね、丁寧に整えていく。その積み重ねと改善の先にしか、“らしさ”は生まれないと思っています。
これからも一つ一つ、FDMらしい家づくりを追求していきます。
褒め言葉に甘えず、次の一邸で更新していく。
その姿勢だけは、ずっと変えずにいたいと思います。

 


 

 

Autor

髙倉 潤  (JUN TAKAKURA )

FDM株式会社代表取締役社長。大学卒業後、東京と大分の2拠点で活動を続け2017年大分県に帰郷。同年、取締役副社長を務めたのち2021年5月代表取締役社長就任。