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代表髙倉の本質的な話。 vol.6「木でつくる未来―木造化の流れと私たちの取り組み」

Date
26.10.08
Category
Tag
#連載 #コラム 耐震
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木でつくる未来―木造化の流れと私たちの取り組み

今回は、「木造化」について考えてみたいと思います。最近、建築の世界では「木造化」という言葉をよく耳にするようになりました。モダニズム以降、世界中に同じような建物が建つ時代になり、その主役は鉄やコンクリートでした。それらが当たり前だった時代から、もう一度“木”という素材に注目が集まっているのです。背景には、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国の方針です。建築分野はCO₂排出量の約3割を占めるとされ、環境負荷の低い構法として木造が再評価されています。木は生きている間に二酸化炭素を吸収し、建物として使われても長く炭素を固定し続けます。つまり、木を使うこと自体が環境貢献につながるのです。


国も公共建築や民間建築での木材利用を後押ししています。最近では学校や庁舎、商業施設などでも木造の建物が増えており、街の風景にも少しずつ変化が見え始めています。昔ながらの木造建築というよりも、最新技術を取り入れた「現代木造建築」が増えているのが特徴です。
その中心にあるのが、構造計算の進歩やCLT(直交集成板)、大断面集成材といった新しい素材です。これらのおかげで、これまで難しかった大空間や高層木造も現実になりました。木の温もりを感じながらも、耐震性や耐火性の高い安心の建物が実現できる時代になっています。

FDMでも、この「木で建てる」という選択を積極的に取り入れています。私たちは主に2×4工法とSE構法(ラーメン構造による木造)を用い、それぞれの特徴を活かした設計を行っています。特にSE構法は、柱と梁でしっかりと強度を確保するため、壁に制約されず、大きな窓や吹き抜けのある開放的な空間をつくることができます。木の家でありながら、鉄骨造に負けない自由なデザインが可能になるのです。


非住宅分野では、店舗・クリニック・宿泊施設などでの木造化・木質化を推進しています。防火規制の厳しい耐火構造にも対応できる木質耐火部材を採用し、コストと性能の両立を図っています。木材調達においては、地域材の活用も含め、メーカーとの協働による安定供給体制を整えています。
もちろん、木造には課題もあります。実は設計者、特に構造設計者で木造を扱える技術者が少ないという課題。また、材料コストの変動や、シロアリ対策、耐久性の確保など、一つひとつ丁寧な検討が欠かせません。また、現実的な耐用年数と、財務上の償却年数の差も、木造化を取り組む際の大きな課題です。


FDMでは、設計から施工、メンテナンスまで一貫して対応し、木の魅力を長く保つ工夫を重ね、財務的要因も加味したご提案をしています。
木造化は単なる流行ではなく、これからの社会の姿を映す動きだと思います。人と自然が寄り添う建築の形を、私たちは木の家づくりを通して探り続けています。私たちはこれからも、まず「木造化できないか?」と問いかけ、木の力でやさしい未来をつくっていきます

 


 

 

Autor

髙倉 潤  (JUN TAKAKURA )

FDM株式会社代表取締役社長。大学卒業後、東京と大分の2拠点で活動を続け2017年大分県に帰郷。同年、取締役副社長を務めたのち2021年5月代表取締役社長就任。